キヌアのコレステロール低下物質

キヌアは、コレステロールを低下させる可能性がある

キヌアには、コレステロールを低下させる作用がある。その物質特定やメカニズム解明は充分ではないが、今後の研究が期待される。キヌアは豊富なレシピだけでなく有効成分も含む食材。

 

キヌアは果皮部に4%を越えるサポニンを含むために、通常は果皮部を取り除いて食用に使用されている。このため果皮は通常廃棄されている。しかし、果皮はサポニンの他に20%を越える繊維を含むなど、生理活性を有する健康食材源としての活用が考えられる。キノア種子と果皮および果皮の温水抽出物の血漿および肝臓コレステロール値の上昇抑制及び低下作用を見出した。具体的な因子とその作用機序は充分明らかでないが、含まれている多種の食物繊維やたんぱく質がコレステロールの吸収抑制と中性ステロール、胆汁酸の排泄促進に関与していると考えられる。 [17]

キヌア果皮に含まれるキヌアペクチン様画分をマウスに与えた結果、胆汁酸およびコレステロールの小腸における吸収を抑制、糞中への排せつを促進し、その代償効果として血漿総コレステロール濃度の上昇を抑制することが推察された。[18]

キノアタンパク質画分に血清および肝臓コレステロール値上昇抑制効果があることが報告されており、その際、糞中総胆汁酸排泄量は増加した。本研究によりキノアタンパク質は腸管上皮モデル細胞であるCaco-2において、濃度依存的に胆汁酸の吸収を抑制することが明らかとなった。
大豆タンパク質は胆汁酸と結合することによりコレステロールミセルの形成を抑制し、腸管におけるコレステロールの吸収・再吸収を抑制し、血清および肝臓中のコレステロール値の上昇を抑制することが報告されている。キヌアタンパク質においても、胆汁酸吸着作用が報告されている。以上のようなことから、キヌアタンパク質の血清および肝臓中のコレステロール値上昇抑制機序のひとつは、キノアタンパク質と胆汁酸が結合してミセルの形成を阻害することにより、腸管からのコレステロールの吸収・再吸収を抑制し、肝臓におけるコレステロールからの胆汁酸合成を促進するためであると推察される。[19]

キヌア外皮にコレステロール低下作用があることが報告されている。マウスに対し行った実験で、キヌア外皮は3%以下という食餌添加量で、血中コレステロール値を明確に下げる効果を認めた。[25]

キヌアより取得したタンパク質画分をマウスに餌に添加して与えてみたところ、血清と肝臓の総コレステロールの上昇を有意に抑制した。この作用は、糞中への胆汁酸排泄の促進およびコレステロール合成系酵素の抑制にあると推察される。[28]