今、東京農業大学の施設でキヌア展示イベントが開かれています。3畳ほどの小さなスペースに凝縮されたその高いクオリティ、盛りだくさんの内容に感動してしまったのでレポートします。
展示概要は以下の通りです。
- 期間:2013年5月8日〜晩秋(キヌアの収穫期)
- 場所:東京農業大学 「食と農」の博物館(東京都世田谷区上用賀2-4-28)
- 電話:03-5477-4033
- 開館:開館カレンダー
- 共催:東京農業大学、(財)進化生物学研究所
- 費用:無料
国際キヌア年特別展示~アンデスからの贈り物〜
生育中のキヌア生体、現地の各種加工品、見たことのないパンフレット、日本では気軽に入手できない種類の種子、手で触れられる粒と粉、などが処狭しと陳列されています。
栄養価や機能性についての説明は多くありませんが、現地の織物や地域の様子を写した写真が豊富で、キヌアのことを直感的に理解できる場となっています。
掲示されていたパネルの文章を転載します。
国際キヌア年を迎えて
2013年は国際食糧農業機関(FAO)が定めた国際キヌア年です。キヌア(Chenopodium quinoa Willd.)はアンデス地方が原産のヒユ科アカザ亜科一年草で、現地ではその色、高い栄養価、経済的な価値から公用語のスペイン語で”Grano de oro”「黄金の穀物」とも呼ばれています。
国際キヌア年はエボ・モラーレス、ボリビア多民族国大統領によって提唱されたもので、キヌアが世界の食糧安全保障や栄養改善、貧困の解消に向けて大きな役割を果たすことが期待されています。また、自然と調和しながら、数千年以上にわたって環境に適合した品種を栽培、利用し、生物多様性の保全にも貢献してきたアンデス先住民の文化に対して敬意を表すことも忘れてはなりません。
日本では健康食材として自然食品のお店などで売られていますが、知名度はそれほど高くなく、需要も少ないことから全てボリビア及びペルーからの輸入に頼っているのが現状です。国内ではキヌアの産地化に向けて山梨県や京都府で先駆的な取り組みがなされていますが、「国産キヌア」の出現にはもう少し時間がかかりそうです。高い食品機能性を有し、また地産地消の戦略的作物としても有望なので、今後の普及、開発が望まれます。
そのためには、先ずより多くの人にキヌアについて知ってもらうことが大切だと考えます。そして実際に食べてみて欲しいと思います。そのプチプチとした食感や素朴な香り、味わいに魅了され、「健康に良さそうだ」ということが実感できるでしょう。
日本の博物館としては初めての企画でもある「国際キヌア年特別展示〜アンデスからの贈り物〜」が、今後のキヌア普及に少しでも貢献できれば幸いです。
近所ならば行って損はない
キヌアに興味のある人ならぜひ行ってみてください。キヌアの日常生活ではまず見ることのできないあれこれを一気に体験できる貴重なチャンスです。
興味がそこまで無くても、近くには馬事公苑やテレビ番組「モヤモヤさまぁ〜ず」にも登場したジャングルのような植物園(?)があり休日のお出かけにピッタリと思います。行ったらぜひtwitterで感想を教えてくださいね。
楽しいイベントも予定
公式Webサイトでは「キヌアをまるごと楽しもう」ということで種々のイベントが予告されていました。
- 学内外の講師を招いた「キヌア料理ワークショップ」
- 「日本初!キヌア栽培実践講座~種蒔きから脱穀まで」
- 「アンデス音楽コンサート~キヌアの故郷に思いを馳せて」
詳細が決定次第、順次お知らせされるとのこと。全部参加してもスタンプはもらえそうにありませんが、今からとっても楽しみです!