キヌアの成分特性とその活用法に関する研究【緒論】

2011年に東京農業大学の大迫早苗さんによって発表された博士論文を抜粋して紹介します。キヌアが有用で市場性の高い食品であることを明らかにするというコンセプトをもって書かれた本論文、素人にも分かりやすく盛りだくさんの内容です。

科学的な検証部分までは立ち入らず、主に結論部分を抜粋させていただきます。

キヌアの成分特性とその活用法に関する研究【緒論】

緒論

キヌア(Chenopodium quinoa)はキノア、キンワと呼ばれているアカザ科(ヒユ科アカザ亜科)の1年草で、南アメリカのアンデス山脈に沿ったエクアドル、ペルー、ボリビアからチリ北部に至る一般に作物の育たない高地、湿地、塩害地で生育する。

キヌアの歴史は古く約3,000〜5,000年前からアンデス地域で広範囲に栽培され、インカ帝国時代は重要な食糧源であった。

現在、キヌアのおもな産地はペルーからボリビアにまたがる地域を中心とした標高2,500〜4,000mの高地で栽培されている。

栽培されているキヌアはサワー種とレアル種があり、サワー種の種子はレアル種に比べて大きいが、サポニンがの含量が高く、品種的には劣るとされている。キヌアの種子は、直径1.5〜2mm、凸レンズ状の種子を草丈の先端に房状に付け、種子の平均収量は低いもので450kg/ha、最大5,000kg/ha、平均800〜1,000kg/haと報告されている。

輸出されているキヌアは大粒で優良品種のレアル種で、フランス、ドイツなどヨーロッパの一部とアメリカに輸出されている。

収穫されたキヌア種子は天日乾燥、脱穀、選別、脱皮、水洗、乾燥行程を経て食用とされる。

キヌアは各種栄養成分をバランスよく含んでいる。キヌアは精白米と比べるとタンパク質が2倍、食物繊維が6倍、カルシウムが6倍、鉄が9倍と他の穀物と比較して非常に高く注目されている。

また、トンブリのようなプチプチとした新しい特異的な食感、真鍋によると米、麦と違ってアレルゲンを持たないことから、アトピーなど穀物アレルギーに悩む人たちのアレルギー疾患用食材、健康機能性を持つ新しい食品素材として可能性が期待されている食品である。

このように栄養価が高く栄養バランスも優れていることから、アジア、アフリカ諸国で利用され、欧米や日本でも健康志向の高まりと共に流通が行われるようになった。

現地では、多くはキヌア粒をそのまま、もしくは挽いて多様な料理に利用されている。

日本ではキヌアの認知度は高いとは言えないが、一部キヌアの炊き込みご飯やクッキーなどが利用されているが、100%キヌア粉を利用した製品はまだ開発されていない。

キヌアの成分特性とその活用法に関する研究【総括】

そこで本研究は

そこで本研究は、キヌアを試料とした食品開発、キヌア主成分の追究、気なうより成分を抽出後、新たな食品開発へと展開させ、食品としてのキヌアの基礎的な研究を行うことを目的とした。

最初にキヌア粒および粉を用いて、小麦粉加工品や米加工品としての食品の応用に試みた。すなわち、膨化食品としてのパンおよびスポンジケーキ、コメ加工品として餅を調製し、その特性を物性測定と官能評価を主体とした食味特性について検討した。

次にキヌアの主成分である澱粉を抽出し、粒の形態・微細構造、糊化・老化特性の挙動を検討し、キヌア澱粉の一般的性質を研究した。さらに、抽出した澱粉を用いてキヌアの独自性を活かした新たな食品開発を行い、キヌアが有用で市場性の高い食品であることを明らかにしたいと考える。

※ キヌアの成分特性とその活用法に関する研究 – 大迫早苗

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