国産キヌア製品化の知られざる裏側とは

キヌアは粒が小さいために、選別や精製などの調整工程に大きな手間がかかります。ボリビア産が様々な工程を経て製品化されるのは以前簡単に触れました。

今回は、収穫して脱穀した国産キヌアが製品となるまでにどんな工程を踏まえているのか、ゆうきの輪の現場におじゃましてレポートしたいと思います。

国産キヌア粒選

脱穀しただけでは不純物が残る

粒が小さいということは、茎や葉、小石といった不純物との選別が難しいということです。雑穀生産に共通する悩みだそうです。

脱穀するまでの選別もいろいろと手間をかけているのですがその紹介は別の機会に。脱穀しただけの国産キヌアはこのように、近くで見ると余計なものが混じっていることが分かります。

不純物の混じった国産キヌア

手前のほうにある黒っぽいものが小石です。これをお米と一緒に炊いて食べてしまったとしたら。。取り除かないといけません!

ピンセットでひとつひとつ

そこで冒頭の写真です。今はこれしか無いのです。黒っぽい石、つぶれたり欠けたりした不良な粒などを目視で確認してひとつひとつ取り除きます。目と肩へ負担がかかるので2時間と続けられない作業です。

色彩選別機という夢のようなマシーンが販売されているそうで、色で判別して空気銃で除外するとのこと。はぁ、欲しいです。

精白機にかける

不純物が無くなっても、粒の外側にはサポニンを含む食用に向かない層が残っています。玄米を精白米にするように、精製する必要があります。

ようやく機械の登場です。

国産キヌアと精米機

上から粒を投入すれば、中で粒同士がすりあわさることで外側が少しずつ削れられて精製される仕組みです。

終わると、磨かれた白っぽいキヌアに生まれ変わります。摩擦熱でしょうか、少し温かく、また水分が表出して少し湿っています。

機械にかける時間は数10分ですが、よそ見をしているヒマはありません。その間ずっと観察して、さきほどの工程で見逃した残りの不純物を取り除く作業があります。

ここまで進むと、ぐっとキレイになります。

精製後の国産キヌア

もっと近くで撮ればよかったですが、余計なものを取り除き、一皮向けたキヌアは非常に美しいです。

最後のふるい

精製するときに生じた小さな破片や粉などを最後に取り除く必要があります。キヌア粒の大きさに合った目の細かいふるいにかけます。

国産キヌアとふるい

ふるいにキヌアを入れ、下にあるとってで全体を揺らし動かせば、不純物が網の目から下に落ちてゆきます。目視では確認しづらい細かな不純物を取り除くことができました。

ラストは乾燥

とっても美白になったキヌアたちを、機械を使って乾燥させるのが最終工程です。

国産キヌア乾燥前夜

平らに敷き詰めてから汎用の乾燥機に入れ、所定の時間を設定してスイッチオン。

国産キヌアと乾燥機

以上で、精選工程の紹介を終わります。

食品作りの重み

今回は私は2時間ほど手伝っただけでしたが、口に入るものを作るということの重みをいたく感じました。自然で生育する植物を収穫すれば小石や枝などが入るのは言われてみればしごく当然なのですが、ふだんパッケージ化された食品ばかり目にしている私たちにとっては、そこに至るまでに相当の手間がかかっているということは意外と知られていないけれども、非常に大事なことだなと思いました。