キヌアの日本での栽培状況をいくつかまとめてみた

山梨県において栽培が可能。北海道、関東南部、東北においても栽培試験が行われている。キヌアはレシピが豊富な有用食材。

キヌアの個体当たりの種子生産量は栽培密度が低いほど大であったが、栽植密度は4個体/㎡前後が最適であろうと推定される。地下水位の違いがアマランスおよびキヌアの生育・収量に及ぼす影響を調べたが、キヌアは地下水位が高まるにつれて出芽率が低下した。また地下水位4cmでアマランスとキヌアを生育させた場合、播種後70日目の枯死率はアマランスよりキヌアのほうが高かった。

キヌア栽培

山梨におけるキヌア栽培実験

平成15年までに山梨県において栽培が可能であることが明らかになっている、NL6系統(Sea-level type)がある。以下山梨県総合農業試験場の研究による。山梨におけるキヌア栽培において、播種時期は、標高300m程度の平坦地では4月上旬から中旬頃、標高900m程度の高冷地では4月中旬から下旬頃であると考えられた。また栽植密度は30-90株/m2の範囲で収量および子実品質などに影響を及ぼさないことが示唆された。

成熟期間は約3-4ヵ月、草丈は80cm-100cm。葉と穂には、多くのアブラムシ類とカメムシ類が観察された。収穫後のキヌア子実の一般成分はボリビア産やペルー産と差はなかったが、ミネラル含量は高かった。

キヌアを山梨県で栽培する場合、4~5月に播種すると7~8月に、8月に播種すると10~11月にそれぞれ収穫できる。窒素基肥量は8kg/10aが適し、子実収量は200kg/10a程度、栽培に要する労働時間は約30時間/10aである。

北海道におけるキヌア栽培実験

選択したキヌア系統「北系CG1号」では、生育期間が長く、当該農場の環境下では登熟が十分でなかった。北海道での栽培には、生育期間の短い系統の調査・育成が必要である。また受精効率も悪かった。また、キヌアに特異的な病虫害としてハモグリバエの発生が認められたが、薬剤散布による防除が可能であった。[35]4品種群合計242品種をもちいた栽培実験を行ったところ、海岸型(Sea-Level)の品種が最も北海道での栽培に適していることが分かった。

関東地方南部におけるキヌア栽培

関東地方南部でのキヌア栽培を考えると、Valleyタイプの品種の播種時期は7~8月で、Sea-levelタイプの品種の播種時期は、史実肥大期の気温が高くなる3~5月であることが明らかになった。またSea-levelタイプの品種のほうが収量は多い。

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