キヌアの栄養成分については栄養で何度も触れてきました。2014年秋より国産キヌアの販売が始まり、栄養成分も入手できましたので、改めてその他類似雑穀などとの比較をしてみたいと思います。
標準の栄養成分だけ見るとキヌアよりアマランサスのほうが優れていることが分かりましたが、その他、アミノ酸スコアや機能成分、調理のしやすさでいうと、総合的にキヌアのほうに軍配が上がるかなと、個人的には思いました。アマランサスは粒が小さくて調理中にポロポロ落ちてしまう上にそのまま食べてもあまり実感が無いのですよね。
国産キヌアの栄養成分
- タンパク質:13.5g
- 脂質:6.1g
- 糖質:55.7g
- 食物繊維:6.1g
- エネルギー:344kcal
- ナトリウム:1.0mg
- リン:370mg
- 鉄:4.94mg
- カルシウム:32.2mg
- カリウム:707mg
- マグネシウム:170mg
- 亜鉛:3.36mg
- 参照:キヌアリーフレット_ページ_4 | 農業法人 上野原ゆうきの輪
- 分析機関:日本食品分析センター
仲間たちとの比較
分析機関は以下の3つです。
- USDA
- 日本食品分析センター
- 五訂増補日本食品標準成分表
参照したページは以下の4つです。
基本栄養成分
縦棒の左3本、赤い色のものがキヌア、黄色が精白米、青い3本が雑穀、黒がアマランサスです。
国産キヌアは、タンパク質ではアメリカ合衆国産キヌアに次いで2位、脂質はアメリカ合衆国と同1位、糖質は精白米と玄米を除けば最も少なく、食物繊維はボリビア産キヌアよりは多いです。
エネルギー
国産キヌアは、精白米と玄米を除けば最もエネルギーが少ないです。
ミネラル1
リンはアマランサス、アメリカ合衆国産キヌアに次ぐ3位。カリウムは最も多い。マグネシウムはキヌアの中では最も少ない。
ミネラル2
ナトリウムは少量。鉄はアマランサスに次いで2位。カルシウムはアマランサスが非常に多い。亜鉛はキヌアの中では1位。
国産キヌアは精白米の何倍?
栄養価を表現する際によくされる手法をやってみます。国産キヌアを精白米(水稲穀粒)と比較した際の各栄養成分の割合は以下の通りです。
- タンパク質:2倍
- 脂質:6倍
- 食物繊維:14倍
- ナトリウム:5倍
- リン:4倍
- 鉄:5倍
- カルシウム:9倍
- カリウム:6倍
- マグネシウム:8倍
- 亜鉛:2倍
キヌアの位置づけは?
どうにも、アマランサスの凄さを再確認するような内容になってしまいました。
キヌアのアマランサスと比べた優位性は、栄養成分においてはアミノ酸スコアと各種機能成分にあると思っていますが、この正確な比較はまだしていません。最も大きな違いは粒の大きさからくる調理のしやすさと食味の良さです。アマランサスは粒が小さすぎて調理がしにくく、また味わいや食感はキヌアほど良好でないと思っています。
国産キヌアと海外産キヌアの明確な違いは見受けられませんでしたが、カリウムが多く、またエネルギーや糖質が若干低いことはひとつ挙げられるでしょう。
キヌアに限らずアマランサスなど雑穀全般は、精白米と比べてその栄養評価の高さは歴然としています。どの雑穀にするかは、味わい・調理のしやすさ・機能性・アミノ酸スコアなどの要素をもとに判断するのが良いだろうと思いました。