サイトででかでかと告知「農大厚木キャンパスで日本初のキヌア栽培体験」したイベントの参加レポートです。国内ではあまり知られていない作物の、しかも栽培体験というかなりニッチなイベント、興味深い方々との新しい出逢いが一番の収穫物でした。
キヌアで繋がる人々
キヌアという一軸だけで全く知らない25人が集いました。登壇者のお知り合いもいればほんの1週間前にキヌアをGoogle検索して始めて興味を持った方もおり、共通するキヌアへの関心をもって同じ場所に居合わせたというのはなんとも奇特な縁と言えます。
参加者の1人のツイートを転載します。
8/10は大注目の雑穀、キヌアのワークショップに参加。種蒔、収穫、調理までを数ヶ月で行う。キヌアに熱い思いを抱く人々と過ごし、とても良い刺激になった。キヌア栽培研究者、農家の皆様、スペイン語(南米文化?)の研究者、料理の先生、キヌアWebサイトの運営者。私はイチ消費者として参加。
— 蝶形骨が気になる (@small_bird_song) August 12, 2013
あまり知られていないキヌアの存在の影には、日本初の国産化に尽力する専門家やその有用性を認める料理家や研究者の方々がいて、その将来性を確信して精力的な活動がなされてきたのです。
栽培といういち視点を通じて集ったこの日のメンバーには、浅かれ深かれその着眼点に狂いがなかったことを確認する嬉しい副事物もあったと言えそうです。「quinua.jp見てます」という言葉が私にとっては何よりのプレゼントでした。
学生に戻ったよう!充実の座学
参加者のバックボーンを簡単に共有する自己紹介のあとには、「貴重な一歩!国産キヌア栽培へ挑んだ山梨の軌跡」で紹介した国産キヌア界の神的存在、山梨県総合農業技術センター研究員の石井さんによるキヌアの基本的な特徴紹介があり、そして山梨県での取り組みおよび栽培のポイントをチェックすることができました。
ひとつ気になったのはキヌアのアレルギー周りの話題に関して。キヌアはグルテンフリーであってアレルギーフリーではないということ。タンパク質が入っているためにアレルギー成分は存在し、ほうれん草アレルギーの人などにとってはNGだということですね。
キヌア栽培のポイントを分かりやすくまとめてくれているスライドを書き起こします。
- 最適播種期:8月
- 窒素基肥施肥量:8kg/10a
- 播種時土壌水分:黒ボク土30%、灰色低地土10〜25%(g/乾土)
- 発芽温度:20〜35℃
- 播種深度:0.5〜1cm
- 害虫防除:カメノコハムシの防除が必要
- 脱穀・調整:米栽培に使用する機械(ハーベスタ、精米機)で対応
- 収量:200kg/10a
- 栽培労働時間:30時間/10a
暑いけど植えよう
圃場に移動してみんなで植えました。うだうだ言うよりも「ペルーニュース日本語」さんがfacebookページに掲載したこちらの動画をご覧ください。
その他の場面も含めた写真はこちらにあります、写真お上手ですね。熱中症回避のために休憩をとりつつもコンパクトにまとめられており、農業初心者の方でも楽しめる内容となっていました。
農家の方や専門家が親切にアドバイスをくださって、キヌア栽培にとどまらず農業全体の喜びも体験できましたよ。自生していたミントの香りも印象的でした。さて、栽培のその後は?
もう芽がでました
ご覧ください。驚きの成長力。わずか2日後にもうここまで生育している様子を農大厚木キャンパス植物園だよりが伝えてくれています。
水分管理などしてくださっていると思うのですが、専門家の指導のもと実施すればここまで順調にいくものなのですね。
次回は9月7日(土)10:00〜同じ厚木キャンパスで。またみなさんにお逢いできるのを楽しみにしつつ、少しでも興味ある方の新しいご参加もお待ちしています。募集要綱はまたfacebookページでお伝えしますね。
最後に、主催者の方、参加者のみなさま、当日はありがとうございました。