2013年の国際キヌア年に遅刻して行ったときにお逢いした生徒たちと先生には、逢うたびに大きなエネルギーをもらいます。今回の記事ではそんな、未来を創る研究者たちの先駆的挑戦について、少しだけ触れてみたいと思います。
はじまりは2006年
「キノア産地を作る高校生の挑戦!」で草花クラブ顧問の佐藤先生は以下のように述べています。
キノアとの出会いは日本代表として研究成果を発表した「水のノーベル賞」ジュニア版と言われる、2006年「Stockholm JuniorWater Prize」において、ペルーの高校生による高塩類濃度下での(キヌア)発芽研究報告を目にしたこと
2015年の今でこそTV放映などにより知名度は向上しつつありますが、2006年時点で着目が始まっていたとは本当に驚きです。
このPDFは2008年発行ですが、京都桂高校の取り組みが分かりやすくまとまっているため、興味のある方はぜひ最後までお読み下さい。
京都桂高校のSSHとは
この高校は、文部科学省が指定するSSH(スーパーサイエンスハイスクール)です。SSHとは、以下の通りです。
先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進します。また創造性、独創性を高める指導方法、教材の開発等の取組を実施します。
普通の高校とはひと味もふた味も違う、超高校級の教育機関だということですね。京都桂高校は平成25年4月に文部科学省から5年間、指定を受けたそうです。
まるで大学のような研究体制と、意志ある生徒たちの熱意とが合わさり、類まれな学びやとして存在しています。
キヌア研究班の活動
数多くあるなかで公表されているものをいくつか紹介します。
- 2010年6月11日:「亀岡市民新聞Web – 亀岡に新名産の予感、世界で注目の「キノア」」では、生徒たちが地域に向けて試食会を開いたことが伝えられました
- 2013年5月9日:「国際キヌア年エキスポ2013で話された大事なこと」では、生徒の山城さんが栽培の知見を東京の国連大学で発表したことについて触れました
- 2014年11月24日 :健康レシピコンテストで大賞を受賞したことが、キヌア研究会 事務局によって広報されています
- 2015年6月18日:「キヌア研究班、研究成果を披露 東京ペルー大使館訪問」が行われ、生徒が、研究成果をペルー大使に向けてスペイン語で発表したそうです
- 2015年6月22日:カンテレ「気になるわ〜ド「スーパーフード」」に出演:画期的な脱穀方法を紹介
- 2015年8月:農業クラブが全国大会へ出場することが決定。「アンデスのスーパーフード」~キヌア普及拡大への挑戦~、キヌアを後世に伝える」~ペルーから日本へ受け継がれた食文化~
熱意
最近学校へ訪問しました。私は、研究班の生徒さんから、栽培の技術的な質問をたくさん頂戴したのですがきちんとお答えできず失礼しました。負けずに勉強しないといけません。
学校の圃場では様々な条件で栽培を試していて、なかには京野菜とコラボ栽培をして虫害の相互影響を調査する、ということまでありました。ここでの積年の知見が日本や世界のキヌア文化に貢献することは間違いありません。
真剣な眼差し、純粋な想い、真摯さ。
研究班の活動が、これからも進化発展していくことを願って止みません。全力で、応援します。
*最新情報は公式ブログで:キヌアとネリカは地球を救う 京都府立桂高等学校 チームQUINOA&NERICA