過去は今を知るための、そして未来を予測するための材料となりえます。
国際キヌア年にめっきり鈍感だった日本が過去2年間にどれほどのキヌアを輸入してきたか、いつもの財務省貿易統計に2013年12月までのデータが揃ったので経年で追ってレポートします。
ちなみに私自身にとっては、「ブームでないキヌア普及」のためには国内の昨年の動きは静かな定着が進んだという意味で好印象でした。
ペルー・ボリビアから日本へのキヌア輸出量
縦軸の単位はkgです。2012年5月は異常値として、だいたい右肩上がりのように見えますね。輸入がない月もありますが、両国合わせて2013年5月頃から増加傾向が見られます。
ペルー・ボリビアから日本へのキヌア輸出価格
価格は2012年10月頃を起点に上昇しており2013年4月頃から安定していることが分かります。ボリビア産が安定しているのに対しペルー産はぐんぐんと上昇しているとも言えそうです。2013年末の段階ではボリビア産のほうが価格が安いとも言えます。
ペルーから日本へのキヌア輸入
青い棒グラフが左軸のkg。赤い折れ線グラフが右軸のkgあたり米ドルで現地の輸出港までの価格。2013年11月に量が一番多かったですが2年間でそう大きな変化はないように見えます。しかし価格は2012年6月の突出を除けば右肩上がりに上昇しており、2013年12月においては2012年2月の3倍程度となっています。
ボリビアから日本へのキヌア輸出
2012年5月と2013年9月を除けば量に大きな変化はありません。価格は2013年1月に入ってから2倍程度に上がりましたがそれ以降は安定しているようです。
データの報告は以上です。
2014年の日本キヌア界はどうなる?
大変おこがましい見出しではありますが出来る範囲で予想してみます。
価格については、ペルー産の上昇傾向およびボリビア産の安定傾向にそう大きな変化はなさそうです。ただ、現地での増産体制にも関わらず北米での需要が急増している世界市場もあり、また北米での普及具合は一時のブームを通りすぎて安定普及期に入っているふうもあるため、今後生産体制に何らかの変化が起きなければ大きな価格の下落は起こらなそうです。
日本で爆発的ブームが起きれば価格は一気に跳ね上がる可能性はありますが、現状その兆候は見られないため上記傾向は一定期間続くという予想です。
量については、いかんせん農作物なので難しいですがこれまでの傾向からして需要側に大きな変化が無い限り急な増減はなさそうです。
ただ全体として、昨年半ばから量・価格ともに増加傾向は見られますので、日本における普及拡大の下地が形成されつつあると言えるかもしれません。
またここquinua.jpのアクセス数は時期を同じくするようにして増加傾向にあり、またソーシャルでの「キヌア」言及数は感覚値ですが増加しているようでもあり、2014年に入りメディア掲載が止まるわけでもなく、大手コンビニでの関連商品発表もあったことなどから、2014年の日本キヌア界はもしかしたらより普及の進む年になるのでは、という予感もしております。
2013年5月段階でのキヌア認知度調査については「キヌアブームが日本にも訪れるか勝手に予想してみた」を読んでみてください。