抗酸化活性の高いキヌアは茎葉部が飼料に有望かも

キヌアは抗酸化活性能が高いと研究者らにより言われていますが、茎や葉の部分はその傾向がさらに顕著だそうです。

茎葉部はサポニンなどからくる苦味のために食用になりにくいですが、鶏肉の飼料として活用すれば、長期保存においても、酸化がもたらす旨味低下を防止する用途としては可能性がありそうです。

山梨県総合農業技術センター発行の論文から研究成果を紹介します。

キヌア生育

有効性は確認されている

山梨県は、国産キヌアの本格生産に挑戦しています。特産品である甲州地鶏などの保存性向上を目的に、キヌア茎葉部を飼料に活用することを研究していましたが、下記のような成果があったそうです。

鶏への給与試験から鶏肉の保存性向上にキノア茎葉部が有効であること、栽培試験から品種「Amarilla de Marangani(以下、AM)」の乾物収量が多く、飼料として有望であること

AMは粒の食用として栽培されているsea-levelタイプとは違う、valleyタイプです。高地の品種で、茎葉部の量がより多いものだということです。

2回刈りはできるか?

一度刈り取ったあとに成長してもらってもう一度刈り取りたい、ということで2回刈りの検討もしています。

1回目の刈り取り時期としては播種後90日が収穫量として最適だとのことです。刈り取りの高さについては以下の通りです。

1回目の刈り取りの高さは、植物体を観察し,その時の生長点を残すように留意する必要がある。今後は2回刈り栽培の安定化に向けて、1回目の刈り取り高さについて年次を重ねた検討が必要である

2回目の刈り取りができるよう、成長点を残して1回目の刈り取りをすることが大事なようですね。

粒だけではもったいない

キヌアといえば白い粒、というのは数年後には不正確な表現になっているかもしれませんね。粒でもや黒がありますし、が有用なのは既にお伝えしました。

これに加えて茎まで使えるとなると、キヌアは本当に、次世代を支える汎用作物となる可能性があります。自然の力が培った、類まれな栄養価の恩恵を、フルに活用していきたいものですね。

その他、施肥量についても言及がありますので興味のある方は参考資料をチェックしてみてください。

*参考・画像:キノア茎葉の2回刈り多収栽培技術(PDF)、Christian Keller

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