キヌアとは!その歴史と文化に少しだけ触れてみる

キヌアとは一体なんだろう?知るにつけその奥深さにますます興味を惹かれてしまう存在のキヌア。栄養価や機能性について把握したら次はその歴史や文化についても興味の幅を広げてみましょう。なにせ3,000年以上前から食用とされてきた歴史をもつ植物、きっと新しい発見が待ち受けているはずですよね。

Wikipedia英語版「quinoa」のHistory and cultureを抄訳します。

キヌアの歴史と文化

キヌアの歴史と文化

キヌアは、およそ3,000年前にアンデスの民によって初めて栽培された。キヌアは、その土地固有のものであり世界の他の地域では比較的知られていない植物であった、アンデス文化では非常に重要なものであった。

キヌアを聖なるものとしたインカ民は、キヌアを「chisaya mama」あるいは「穀物の母」とし、初めて金の農具で種を蒔いたのはインカ皇帝だった。

スペイン人による南米の征服中、スペインの征服者はキヌアを「インディアンの食べ物」として軽蔑し、その宗教的な儀式への用途から栽培を禁止しさえした。事実、スペイン人征服者はキヌア栽培をしばらくの間忘れさせ、インカ民は代わりに小麦を栽培することを強いられた。

キヌアの人気と価値の向上

キヌアは、キヌアが自然には植生していないアメリカやヨーロッパ、中国、日本において非常に人気がでてきており、作物価値も向上している。2006年に比べて2013年の早い時期ではキヌアの価格は3倍になった。2011年の平均価格は1トンあたり3,115米ドル、最高で8,000米ドルとなっている。これに対して小麦の価格は1トンあたり340米ドルである。

1970年代から、協同組合や連合は市場のより大きなコントロールに向けて努力してきた。キヌアの価格が高くなるにつれ人々の購入を難しくさせるが、農家へ高収入をもたらしもし、また都会へ出てきた人々が生まれた土地へ戻ることにも繋がっている。

キヌアの植生が無い地域での人気向上はフードセキュリティへの懸念も押し上げた。キヌアが栽培されている地域で継続的に広がる貧困のために、またその地域の土地と気候に適した他の穀物がほとんどないために、キヌア価格の高騰が地元での供給に支障をきたしていると言われている。2013年にはGurdian紙が、非常に水を消費すると批判されるアンデスの作物アスパラガスとキヌアを比較し、「365日の私たちのどん欲な空腹にこの豪華な野菜を与えると…」などと指摘した。また人々が収入を増やすと、より西洋の加工された食べ物を望むようになるとも述べた。

苦慮

以上です。

最後の2文が少々不完全ですが、ようはキヌア隆盛が地元民に弊害をもたらしているといった趣旨のことです。

過去にも何度か紹介したキヌアの人気向上に弊害があるというひとつの見方についてですね。このテーマについての私のスタンスは現状、静観が吉、というくらいです。本当にそうなのか、そうだとすればどのような解決策があるのか冷静に確認すべきで、過激に反応するのは止めましょう、という具合にしか言えません。

キヌアの歩みをコンパクトにまとめた「キヌアの歴史」もあわせて読んでみてくださいね。

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