日本のキヌア元年だった2014年を振り返る

以前書いたとおり、私は2014年を日本のキヌア元年だと思っています。メディア露出の拡大や国産品の誕生、各地で開かれたイベントなどから総合的に、これまでにない盛り上がりを見せた1年だったからです。

そこで2014年末の今日、年間を振り返って元年の動きをまとめてみたいと思います。

キヌア元年

メディアの取り上げ

言うまでもなく2014年3月7日放送のNHKあさイチが莫大な影響力を持っていました。お約束の「キアヌ」との絡みを交えつつ、国産キヌアにまで言及しその世界的な盛り上がりに注目した内容は、国内での普及拡大に大きな役割を果たしました。

他局や、インターネット含む他メディアもこれに追随するなど、年間を通してキヌアのメディア露出が増えた1年間でした。9月初旬までの掲載リストは「2014年は日本におけるキヌア元年だと言えそう」にまとめています。

9月中旬以降も、テレビやラジオでの取り上げがちらほらあり、その度に私のこのサイトは大きくアクセスを増やしました。大小のインターネットメディアでは定期的に「スーパーフード」「奇跡の健康食」といったコンセプトで紹介されるようになりました。

その他、AKBのこじはるがTwitterでツイートしたことも話題になりました。インターネット上の口コミの拡大については「謎のダイエット穀物キヌアをクチコミ分析してみた | SMJブログ(ソーシャルメディアジャパン)」に、独自のツールでの分析結果がまとめられています。

価格は倍以上に上昇

NHKあさイチのせいです。Amazonで販売されている、とあるキヌア製品の小売価格を経年で追えるツールで見てみると、以下のように放送直後から一気に価格が上昇したのが見て取れます。

キヌア価格

真ん中のグラフ線が無い空間の最初のほうが放送タイミングです。その間は出品が停止していたと想定できます。2013年9月には¥451だったのが、9ヶ月後の2014年6月には3倍程度の¥1,289にまで跳ね上がっています。

ここ最近、2014年12月中旬には急激に下落し、¥875まで落ち着いていますが、2013年9月の水準には程遠い状況が続いています。

インターネット検索ボリュームは経年で増加

Googleトレンドを使って注目度合いを追ってみます。今年のあさイチは、スパスパ人間学というテレビ放映による2004年9月の影響94を超え、ここ10年間で最も検索された度合いが多いきっかけだったことが分かります。

また、2008年から2012年までの平坦なグラフは、2013年の国際キヌア年あたりから右肩上がりで伸長しはじめ、あさイチ以降は2倍程度の注目度合いが続いていることも分かります。

キヌア検索ボリューム全期間

直近3年間を比較したグラフでも、毎年伸長していることが分かります。数値で比較すると以下の通りです。

  • 2012年(黃):3
  • 2013年(赤):7
  • 2014年(青):20

キヌア注目度3年間比較

2014年1年間でいうと下記のようになり、あさイチ以降は徐々に落ち着き傾向に入っていることが分かります。

キヌア注目度2014

参考までに世界全体における「quinoa」の注目度を見てみると、きれいな右肩上がりのグラフとなっています。毎年12月にぐっと下降するトレンドがありますが、原因は謎です。

quinoa注目度

それでも2014年の中では徐々に下降しているように見えます。日本と同様、キヌアの、爆発的なブームというフェーズは一旦落ち着きを見せていると考えてよいかもしれません。

キヌアボリビア

輸入量の変化は

2014年のキヌア輸入量と単価の変化を、いつものように財務省貿易統計で調べてみましたた。調べ方は「注目!キヌア流通量を知るたった2つの方法」にまとめておきました。

キヌア2014年輸入量

3月のあさイチ放映で国内需要が急増しても、すぐに輸入量を増やすことはできなかったようです。現地での収穫時期・生産体制などの事情があったものと思われます。特にペルー産キヌアは2月〜4月以内において輸入がありませんでした。7月のボリビア産、9月・11月のペルー産を除けば、およそ毎月各国20MT程度を定期輸入していることが伺えます。

11月のペルー産輸入量は55MTまで跳ね上がり、単価は624(千円)程度で落ち着いています。一方ボリビア産は8MTまで落ち込み、それに合わせるように単価は1,246(千円)まで上昇しています。また、11月1ヶ月間で国内に流通しているキヌアの88%はペルー産だと言えます。量との関係性も見られるとおり、ペルー産とボリビア産とで価格に開きが生じていることも分かります。

ボリビア産のキヌア製品は割高かも

上で「倍以上」と示したキヌア製品はボリビア産です。輸入価格と小売価格を比べてみると以下の通りです。輸入価格はMTを300gに補正しています。

  • 2014年3月:輸入価格¥267、小売価格¥451(小売/輸入:168%)
  • 2014年11月:輸入価格¥373、小売価格¥954(小売/輸入:255%)

2014年11月と2014年3月を比較してみると、輸入価格の伸び(139%)に対して小売価格の伸び(211%)が大きすぎるように見られました。もちろん、現在では300g×3パックの製品もありますので一概には言えません。また、価格は様々な要因で決定されるため、これをもって何かを批判するつもりはありません。

観光だけじゃない!あのウユニ湖は高品質キヌアの名産地」で触れた通り、高品質のキヌアはボリビアで採れるために、ボリビア産のキヌア製品が割高となるのは無理もないことなのかもしれません。

*関係者より指摘を頂戴し、上の段落の記述を一部削除しました。

キヌア

まとめ

以上、私が勝手にキヌア元年と呼んでいる2014年の動きについて、簡単に追ってみました。店頭から消えるという異常事態はあったものの、日本におけるキヌアは、センセーショナルすぎる一過性ブームを体験したとは言えず、1年間に限って言えば、落ち着いた普及状況を迎えられた、と言ってよさそうです。

今後急激に需要が降下するか、安定的に生活へ浸透するか、はたまたあさイチ以上のきっかけがあるのか、それは不明です。私が望むのは中庸の、安定的な普及ですが、国産キヌアの生産拡大に注力しながら諸々働きかけていこうと思っています。

*画像:Marco AntonioBioversity InternationalJudit Klein

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